文字と書のあゆみ

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文字と書のあゆみ ⑱篆書から隷書へ—速書

文献にあっても謎であった秦の隷書が1975年秦墓より出土。写真の竹簡を見ると筆路が単純になり速書に便利。次の漢代・紀元前2世紀では更に加速した古隷も出現。社会が複雑になり、下級役人の徒隷が多くの文書を記す必要に迫られたようで、隷書の名もここ...
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文字と書のあゆみ ⑰文字の統一—小篆と筆の改良

紀元前221年、秦が諸国を統一し、文字と貨幣・長さ・重さの基準も制定。李斯(りし)が小篆、蒙恬(もうてん)が筆の製作と伝わりますが、鹿毛と木軸で改良したようです。甲骨文から1100年後の小篆。大篆の代表とされる秦の石鼓文(紀元前4~5世紀)...
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文字と書のあゆみ ⑯様々な金文--地方差、肉筆も

周が衰え紀元前770年からの春秋戦国期になると各地で多様な金文が出現。図Ⅰは装飾的な鳥虫(ちょうちゅう)書で、春秋期、南方の「越王勾(鳩)践」と刻まれた剣の銘。図Ⅱは戦国期北方中山国の懸針篆(けんしんてん)と呼ばれる鋭く精巧な刻字です。布や...
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文字と書のあゆみ ⑮名品が飼葉桶?

金文は、次第に大きさ・形が揃う方向に。西周後期2800年位前の虢季子白盤(かくきしはくばん)は発見時、何と宿駅の馬の飼葉桶にされていたとの事。鋳込まれた字は整い、字間行間の広さも実に効果的ですね。(参考:大阪府立弥生博物館『世界の文字の物語...
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文字と書のあゆみ ⑭器も金文も重厚な名品

高さ102㎝、153㎏余の大盂鼎(うてい)。周(紀元前11世紀後)を代表する青銅器で、盂(う)に命じた重責の心構え291字が鋳い込まれ、2字を合わせた合文「玟」=文王も見られます。製造法は、皮に字を彫り粘土を密着させて、曲面の鋳型を作った説...
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文字と書のあゆみ ⑬図象銘(ずしょうめい)と金文(きんぶん) の 謎

殷末〜秦漢(約3000〜2000年前)で青銅器等の金属に鋳込まれたり彫られた文字が金文です。殷には甲骨文初期と同時代の図象銘(文字を含む形も)もあり、何を示すマークか検討中です。殷末に何故か短文の金文が急に出現し、殷を倒した周(しゅう)は王...
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文字と書のあゆみ ⑫最古の漢字 — 甲骨文(こうこつぶん)

文字と認めるには文章が記せる事(つまり文字列)が必要で、今は3300年前・殷(いん)の甲骨文が最古の漢字とされています。1889年に王懿(い)栄、劉(りゅう)鉄雲が発見、後に河南(かなん)省安陽で大量に出土。亀甲や牛の肩胛(けんこう)骨等の...
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文字と書のあゆみ ⑪最古の漢字は?—文字と非文字

書の歴史は甲骨文(こうこつぶん)から語られる事が多いようですが、突然これが出現? 近年発掘が進み、日中の学者間で意見の違いも出ています。文字か否か基準は・記号に対応する音がある。・単独でなく、文字列を作る。以下は刻画(こっかく)符号と呼ばれ...
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文字と書のあゆみ ⑩未解読の文字—歴史の謎を 解くか?

突如滅んだ2つの文明、インダスとエーゲ海。洪水・津波か異民族侵入説も。インド、パキスタン出土の4000〜5000年前の印や看板には、右から左へ読んだとされる記号。文字か否かを含め研究中。クレタ島出土の粘土円盤にラセン状に並ぶ線文字A。象形で...
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文字と書のあゆみ ⑨古代文字解読—ロゼッタ・ストーン

いつ漢字が登場? 後でたっぷりと。古代エジプト文字も歴史の荒波で担い手消滅。光はナポレオンのエジプト遠征。兵が掘出した一メートル余の石に、聖刻文字(ヒエログリフ)、民衆文字、ギリシア文字が。ギリシア文字は読めるため内容が分かります。王名を手...